文章を書くのが苦手でも、伝えたいことをAIに”翻訳”してもらう方法

この記事でできること

伝えたいことは頭にあるのに、文章にしようとすると固まってしまう——そんな経験はありませんか? この記事では、箇条書きや単語の羅列をAIに渡して「文章に翻訳」してもらい、最後に自分の言葉に直すやり方を紹介します。

  • 「元気でした」しか書けなかった保育園の連絡帳が、先生に「おうちの様子がよく分かります」と言われる文章になります
  • 1時間かかっていた仕事の報告メールが、箇条書きを渡すだけで5分で完成するようになります
  • 「ありがとう」で止まっていた感謝の手紙が、自分の気持ちがちゃんと入った文章に変わります

使うもの: ChatGPT(無料)
かかる時間: 約5分
必要なスキル: なし

こんな変化が起きます

やる前: 保育園の連絡帳に「元気でした」しか書けない。仕事のメールに1時間かかる。感謝の手紙は「いつもありがとう」で止まる。

やった後: 箇条書きのメモをAIに渡して「文章にして」と頼み、自分の言葉に直すだけ。連絡帳は3分、メールは5分、感謝の手紙も自分の気持ちがちゃんと入ったものが書ける。

伝えたいことは変わっていません。「文章にする」という変換作業をAIに手伝ってもらっているだけです。

伝えたいことはある。文章にすると消える。

頭の中にはちゃんとあります。感謝の気持ち、仕事で伝えなきゃいけないこと、連絡帳に書く今朝の子どもの様子。確かにあるのに、文章にしようとすると全部どこかに行ってしまう。

書き始めて、消して、書いて、また消して。30分経っても3行しか進まず、結局「ありがとうございました」「よろしくお願いします」みたいな定型文で済ませてしまう——こういう経験のある人は多いのではないでしょうか。

ある調査では、文章を書くのが苦手と感じている人の62.5%が「どう書いてよいか分からない」を理由に挙げています。言いたいことはあるけど、それを「文章のかたち」に変える段階で詰まっている。口で言えば30秒で済む話が、文字にした瞬間に固まるのです。

「書く」を2つに分けて考えると解決策が見える

文章を書く作業は、実は2つのステップに分かれています。

  1. 伝えたいことを整理する
  2. それを文章のかたちに変える

苦手なのはほとんどの場合「2」のほうです。「1」——つまり何を伝えたいかは、自分の中にちゃんとある。

だったら「2」をAIに手伝ってもらえばいい。自分がやるのは「伝えたいこと」を箇条書きでも単語の羅列でもいいから出すこと。それをAIに渡して「文章にして」と頼む。

「AIに書かせる」と聞くと抵抗があるかもしれません。でも「翻訳してもらう」と考えるとどうでしょう。英語が話せない人が通訳を頼むのと同じ構造です。言いたいことは自分のもの。届けるための変換作業を手伝ってもらっているだけです。

やり方:3ステップ

ステップ1:伝えたいことを、なんでもいいから出す

箇条書きでも、単語だけでも、スマホの音声入力で話しても構いません。「えーと」「あのー」が入っていても全然OK。とにかく頭の中にあるものを外に出します。

ステップ2:AIに「文章にして」と渡す

ChatGPT(チャットジーピーティー)は、スマホやパソコンで使える無料のAIチャットサービスです(App StoreかGoogle Playで「ChatGPT」と検索してダウンロードしてください)。

アプリを開いたら、画面の下にある入力欄に、さっきのメモと一緒に「これを〇〇向けの文章にして」と書いて送ります。相手が誰か(先生向け、上司向け、パートナー向けなど)と、どんな雰囲気がいいか(丁寧に、やわらかく、など)だけ伝えれば十分です。

ステップ3:自分の言葉に直す

ここが一番大事です。AIが出してきた文章をそのまま使いません。読んでみて「ここは自分っぽくないな」「こんな固い言い方しないな」と思ったところを書き換えます。自分なら使わない言い回しを、自分の言葉に置き換える。この最後のひと手間で「AIの文章」が「自分の文章」になります。

使い方の例1:保育園の連絡帳

保育園の連絡帳で「家庭での様子」欄に何を書けばいいか分からない、という悩みは定番です。「元気でした」しか出てこないけど、実際は朝ごはんのときに面白いこと言ってたし、昨日の夜はレゴに30分集中していた。

朝ごはんの片付けをしながら、スマホのメモアプリに箇条書きで書きます。

- 朝ごはん: パン全部食べた。牛乳おかわり
- 昨夜レゴで家作ってた。窓つけたいって30分粘ってた
- 今朝「今日はゆうかちゃんと遊ぶ」って言ってた

これをChatGPTに送って「保育園の連絡帳向けに、やわらかい文体で短くまとめて」と渡す。30秒で文章が返ってくるので、ちょっと直して書き写します。合計3分です。

「元気でした」しか書けなかったのが、先生から「おうちでの様子がよく分かります」と言われるようになる。書いている内容は前から知っていたこと。文章に変える苦痛がなくなっただけで、ちゃんと伝わるようになります。

使い方の例2:仕事の報告メール

新卒1年目で上司への報告メールに1時間かけてしまう、という話はよく聞きます。何をどの順番で書けばいいか分からない、敬語も自信がない。

まず事実だけ箇条書きにします。

- A社の件、先方から見積もり修正の依頼来た
- 納期は変わらず5/15
- 金額10%下げてほしいとのこと
- 担当の田中さんは「予算が厳しい」と言ってた
- 自分としては5%なら対応できると思う、10%は厳しい

これをChatGPTに「上司への報告メール形式にして。丁寧語で、判断を仰ぐ雰囲気で」と渡す。出てきた文章を読んで、「拝察いたします」みたいな自分が絶対使わない表現を「〜と思います」に直す。5分で送れます。

内容は自分が考えたもの。文章の組み立てと敬語だけ手伝ってもらっています。

使い方の例3:感謝の手紙やカード

誕生日や記念日に手紙を書きたいけど「いつもありがとう」以上のことが書けない。感謝していないわけではなく、何にどう感謝しているのかを文章にできない。

この場合のAIの使い方はちょっと違います。文章を書いてもらうのではなく、「気持ちを引き出してもらう」ために使います。

ChatGPTの入力欄に、次のように送ります。

パートナーへの誕生日カードを書きたいけど、何を書けばいいか分からない。
結婚15年。感謝の気持ちはあるけど言葉にできない。
質問して引き出してほしい。

AIが「最近、パートナーがしてくれたことで嬉しかったことは?」「パートナーがいなかったら困ることは?」と聞いてきます。答えていくうちに、自分でも忘れていた具体的なエピソードが出てくる。

そのやり取りの中で出てきた自分の言葉——「あのとき何も言わずに助けてくれたの、ちゃんと気づいてたよ」——を、自分の字でカードに書く。AIが書いた文章ではありません。AIに引き出してもらった、自分の気持ちです。

「自分の言葉に直す」が一番大事

3つの例すべてに共通するのは、最後に「自分で直す」「自分で書く」が入っていることです。

AIが出してきた文章をそのままコピーして送るのは翻訳ではなく代筆です。代筆には自分がいません。

直すときに確認するのは3つだけです。

  • これは自分が口で言いそうな表現か?
  • 盛りすぎていないか? 飾りすぎていないか?
  • 一番伝えたいことがちゃんと入っているか?

合わないところを直す。足りないと思ったら足す。それだけで「自分の文章」になります。

使うサービスと料金

ChatGPT(無料でOK)、Claude(クロード、無料プランあり)、Gemini(ジェミニ、無料)——どれでもこの方法は使えます。特別なアプリへの課金は不要です。

スマホの音声入力で箇条書きを出したい場合は、スマホに最初から入っている音声入力機能で十分です。ChatGPTの音声モード(マイクボタンをタップして話す方法)を使えば、話した内容がそのままチャットに反映されるので、さらにスムーズです。

まず明日、何か一つ試してみる

LINEの返信でも、仕事のチャットでも、連絡帳でも構いません。

箇条書きで「言いたいこと」を出す。AIに渡して整えてもらう。出てきたものを自分の言葉に直して、送る。

たったこれだけで、「伝えたかったのに伝えられなかった」が「ちゃんと伝わった」に変わります。

文章を書くのが苦手なことは変わらなくていいんです。苦手なまま、伝えたいことを伝えられるようになる。それで十分です。