「あの店のあの味」を再現するためにAIに味を説明してレシピを作る

この記事でできること

旅行先で食べたあのカレー、閉店してしまったあのラーメン、もう一度食べたいけどレシピが分からない。この記事では、味の記憶をAIに言葉で伝えて、再現レシピを作ってもらう方法を紹介します。

  • 「甘辛くて、ちょっとスパイシーで、とろみがあった」のような曖昧な説明でもAIがレシピに変換してくれます
  • 味の説明を掘り下げるための「味の分解シート」を使って、AIに伝わりやすい言語化ができます
  • 1回で完璧にならなくても、「もう少し甘く」「もっとスパイシーに」と微調整しながら近づけます

使うもの: ChatGPT(無料) かかる時間: 20分(レシピ作成)+ 調理時間 必要なスキル: 基本的な調理ができる程度

味を言語化する:5つの軸で分解する

「おいしかった」だけでは、AIもレシピを作れません。味を言葉に変換するために、5つの軸で分解してみてください。

1つ目は「基本の味」。甘い、辛い、しょっぱい、酸っぱい、苦い。どれが強かったか、組み合わせは。

2つ目は「食感」。とろとろ、シャキシャキ、もちもち、カリカリ。口に入れたときの感触。

3つ目は「香り」。スパイスの香り、焦がしバターの香り、出汁の香り。料理が運ばれてきたときに感じた香りは、味の再現に直結します。

4つ目は「温度」。熱々だったのか、冷たかったのか、ぬるめだったのか。

5つ目は「後味」。食べ終わったあとに残る余韻。「後味がすっきり」「じわっと辛さが残る」など。

全部を細かく説明する必要はありません。特に印象に残っている2〜3つの要素だけでも十分手がかりになります。

プロンプト例

以下の味の説明をもとに、自宅で再現できるレシピを作ってください。

【再現したい料理】
旅行先の京都で食べた「鶏白湯ラーメン」

【味の記憶】
・スープ:クリーミーでとろみがある。鶏の旨味が濃厚だが、しつこくない
・塩気は控えめで、柚子の香りがふわっとした
・麺:中太のストレート麺。少しもちもちしていた
・具材:鶏チャーシュー、白ネギ、三つ葉
・温度:熱々。最後まで冷めにくかった
・後味:すっきりしていて、ずっと飲みたくなるスープだった

【条件】
・自宅のキッチンで作れるレベルの手順にしてください
・材料はスーパーで手に入るものだけ
・調理時間の目安も教えてください

AIの提案をもとに微調整する

最初の提案で完璧に再現できることはまれです。実際に作ってみて、「もう少し甘いほうが近い」「柚子の香りがもっと強かった」と感じたら、AIにフィードバックしてください。

作ってみましたが、以下の点が記憶の味と違いました。
・スープのとろみが足りない(もっとクリーミーだった)
・柚子の香りが弱い
・塩気がやや強い

これらを改善したレシピに調整してください。

AIは調整版のレシピを返してくれます。「鶏ガラを長時間煮込む代わりに、豆乳を少し加えるとクリーミーさが増します」「柚子は皮を仕上げに散らすだけでなく、果汁をスープに加えてください」のように、具体的な改善策が提示されます。

この「作る→フィードバック→修正」のサイクルを2〜3回繰り返すと、かなり近い味にたどり着けます。

写真がある場合はさらに精度が上がる

お店で撮った料理の写真があれば、それもAIに送ってください。盛り付けや色合いから、使われている食材やソースの種類をAIが推測してくれます。

「この茶色いソースはデミグラスソースではなく、みりんと醤油を煮詰めた照り焼き系だと思われます」のように、写真から味の方向性を推理してくれるので、レシピの精度が上がります。

注意点

味の記憶は時間とともに変化します。「あの味」として記憶しているものが、実際に食べたときの味と同じとは限りません。AIが作るレシピは、あなたの「記憶の中の味」を再現するものだと思ってください。

また、AIは特定の店のレシピを知っているわけではありません。あくまで味の説明から一般的なレシピを推測しています。完璧な再現というよりは「かなり近い味にたどり着く」という期待値で取り組むと、ストレスなく楽しめます。

味は言葉にすると再現できる

「おいしかった」で終わらせず、5つの軸で味を分解してAIに伝える。それだけで、記憶の中にしかなかった味が、自宅のキッチンで蘇る可能性が出てきます。完璧でなくても、「あ、近い」と思える瞬間があれば、それだけで料理がもっと楽しくなるはずです。