おばあちゃんのレシピを口頭でAIに伝えて「レシピカード」にする
この記事でできること
「おばあちゃんの煮物」「母の卵焼き」。家族の味は、レシピ本のどこにも載っていません。しかも作り方を聞くと「醤油をちょろっと」「お砂糖はこのくらい」と、分量が曖昧で再現しにくい。この記事では、そんな家庭のレシピをAIに口頭で伝えて、誰でも再現できる「レシピカード」に変換する方法を紹介します。
- 「適量」「ちょろっと」「いい色になるまで」のような曖昧な表現を、AIが具体的な分量と時間に変換してくれます
- 完成したレシピカードをPDFやメモとして保存し、家族に共有できます
- まだご健在のうちに聞いておけば、いつか作れなくなったときにも味を再現できます
使うもの: ChatGPT(無料) かかる時間: 15分 必要なスキル: なし
まずは聞く:録音がいちばん確実
できれば、レシピを教えてもらう会話をスマホで録音させてもらってください。実際に料理を作ってもらいながら撮影するのがベストですが、電話や対面での会話を録音するだけでも十分です。
ボイスメモで録音したら、ChatGPT(チャットジーピーティー、スマホで使える無料のAIチャット)のアプリに音声ファイルを直接送ることもできます。あるいは、自分でメモした内容をテキストで入力しても構いません。
聞くときのコツは、「具体的な量」を引き出す質問をすること。
「醤油はどのくらい入れるの?」→「うーん、大さじ2くらいかな」 「煮る時間は?」→「弱火で20分くらい。汁が半分になるまで」 「砂糖は?」→「ひとさじ。小さいスプーンで」
ぴったりの分量が出てこなくても大丈夫です。「ひとさじ」「ちょろっと」のまま記録して、AIに渡します。
AIにレシピカードを作ってもらう
録音やメモをChatGPTに渡して、次のように頼みます。
以下は、祖母から聞いた煮物のレシピです。口頭で教えてもらったので分量が曖昧です。
これを、料理初心者でも再現できるレシピカードに変換してください。
条件:
・曖昧な表現(「ちょろっと」「適量」「いい感じ」)は、具体的な分量の目安に変換する
・「いい色になるまで」のような表現は、具体的な時間の目安も補足する
・材料リスト、手順、コツの3パートで構成する
・元の言葉遣いのニュアンスも残してください(「ここがポイントだよ」等)
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おばあちゃんの肉じゃがの作り方:
「じゃがいもは大きめに切って、お肉はこま切れでいいのよ。油でさっと炒めて、
お砂糖をひとさじ、お醤油をちょろっと入れて、あとはお水をひたひたに入れて
弱火でコトコト煮るの。汁がなくなってきたらできあがり。
最後にみりんを少し入れるとツヤが出るのよ」
AIは、こんなレシピカードを返してくれます。
おばあちゃんの肉じゃが(2〜3人分)
材料: じゃがいも 3個(大きめの一口大に切る) 豚こま切れ肉 150g 砂糖 大さじ1(「ひとさじ」=大さじ1程度) 醤油 大さじ2(「ちょろっと」=大さじ1.5〜2程度) みりん 大さじ1(仕上げ用) 水 300ml(「ひたひた」=材料がギリギリ浸かる量) サラダ油 大さじ1
手順:
- 鍋に油を入れ、中火でお肉をさっと炒める(1〜2分、色が変わるまで)
- じゃがいもを加えて全体に油がまわるまで炒める(1分)
- 砂糖、醤油を加えてざっと混ぜる
- 水を加える。材料がギリギリ浸かるくらい
- 弱火にして蓋をし、20〜25分煮る(汁が半分以下になったらOK)
- 仕上げにみりんを回しかけて、強火で30秒。ツヤが出たら完成
おばあちゃんのコツ: 「最後にみりんを入れるとツヤが出るのよ」
元の言葉遣いを残しつつ、具体的な分量が補足されています。
保存と共有
できたレシピカードは、いくつかの方法で保存できます。
LINEのグループに送れば、家族全員で共有できます。Googleドキュメントに保存すれば、いつでもスマホから見られます。印刷してキッチンに貼っておくのもいいでしょう。
Canva(キャンバ)というデザインツールには、レシピカードのテンプレートが用意されています。AIが作ったテキストをCanvaのテンプレートに流し込むと、見た目もきれいなレシピカードが完成します。
もう聞けない場合
すでに亡くなっている方のレシピを残したい場合でも、方法はあります。自分の記憶をできるだけ詳しくAIに伝えて、「この情報から推測できるレシピを作ってください」と頼むのです。
「たしか鶏肉と大根で、甘辛い味付けだった。柚子の皮が入っていた気がする」——これだけの情報でも、AIは「鶏と大根の柚子味噌煮」のようなレシピを推定してくれます。完璧な再現にはなりませんが、近い味にたどり着ける可能性はあります。
注意点
AIが推定する分量は、あくまで一般的な目安です。家庭の味は微妙な加減で決まるので、最初はAIのレシピ通りに作り、味見しながら「おばあちゃんはもう少し甘かったかも」と調整してください。
また、レシピの分量は人数分で変わります。AIに「2人分で」「4人分で」と指定すると、分量を調整してくれます。
味は、記録しないと消えていく
家庭の味は、作っていた人がいなくなると再現できなくなることがほとんどです。レシピ本にも載っていない、検索しても出てこない、その家だけの味。AIに手伝ってもらってレシピカードにしておけば、5年後も10年後も「あの味」に近づくことができます。まだ聞ける人がいるなら、今のうちに録音しておくのがおすすめです。